ただやみくもに防犯対策をするより空き巣犯罪に関する統計やデータを元に的を得た防犯対策を行うことで無駄のない効果的な防犯強化をすることが出来ます。
戸建てか、マンションかのように住宅の種別により空き巣の手口は異なります。
無駄な防犯対策というのはありませんが、自宅の種別に合わせた防犯対策を優先的に行っていくと良いでしょう。
近年の侵入窃盗事情
平成28年度に起きた侵入窃盗被害は約5,200件、件数自体は毎年少し減少傾向にあるようですが、あくまで「認知件数」の為、被害を届け出ていない世帯はカウントされていないので実際の傾向は更に多い可能性があります。
空き巣に入られた対象建物は毎年、一戸建て住宅やマンションなどの「住宅」が半数以上を占めます。
侵入された場所として一番割合を占めるのは「縁側、居室、ベランダの窓」からの侵入が59.5%、ついで「玄関などの出入り口」からが40.4%となっています。
そして一戸建て住宅の場合、侵入手口として一番多いのが「ガラス破り」次に「鍵の閉め忘れ」で、意外にもピッキング手口の割合はかなり少ないようです。
逆に、マンションの場合、侵入手口として一番多いのが「鍵の閉め忘れ」次に「ピッキング」ついで「ガラス破り」という統計があります。
この統計から分かる事はマンションに住む方は鍵の閉め忘れには十分に注意する必要があります。
高層階だからといって居室やベランダの窓の施錠を甘くしていませんか?
マンションなどの雨樋は一般の戸建て住宅に比べて太いので樋の金具を足場にして壁をよじ登るのはその気になれば簡単です。
また、マンションにおける玄関ドアについて鍵の閉め忘れは絶対にやってはいけないミスです。
マンンションは共用廊下は誰でも歩けるので鍵の掛かっていない玄関ドアに手を伸ばすのは簡単です。
このように、マンションについては、「鍵の閉め忘れ」による空き巣や泥棒被害が多いのが納得できます。
センサーライトの照らす位置
不法侵入者対策でまず最初に思い浮かぶのは夜の怪しい侵入者を照らすセンサーライトです。
しかしセンサーライトは「照らす位置」を間違えてしまうとかえって不法侵入者にとって好都合な条件となってしまう場合があるのです。
センサーライトは基本的に家側から外に向かって照らしますよね。
この場合、敷地の前や道路をウロウロしてるとライトに照らされますが逆に敷地内に侵入された場合は逆光になって侵入者が見えずらくなります。
このような逆光のエリアに入ると侵入者にとってこの上ない死角となり人目を気にせずゆっくりと侵入を試みる環境を与えてしまいます。
このような事から外に向けがちなセンサーライトの照らす位置は外側ではなく、自分の家側を照らすような角度でセットしておくと効果的です。
センサーライトはワイヤレスがおすすめ
センサーライトは1ヶ所ではなく複数セットすると効果的ですがその場合、配線が多くなって家の外観・見栄えが悪くなります。
複数設置・不法侵入者に対する「威嚇」を主な目的とする2つの条件下ならば電源を取らなくてもいいワイヤレス(電池式)のライトがおすすめです。
同じワイヤレスでもソーラータイプのセンサーライトもありますが物によっては付属ソーラーパネルの良し悪しで十分な充電が出来ない・ライトが暗いといった声を聞きます。
電池式タイプは電池交換作業は手間になりますが電池なので安定した明るさを提供してくれますしワイヤレスだから複数設置しても外観を損ねることはありません。
家廻りの防犯整備
不法侵入者は思いつきで侵入するのではなく、まず侵入しやすい家を物色しています。
自分の家がそのような者の標的とならないよう家の廻りの環境整備をしましょう。
敷地は見晴しの良い状態に
高い垣根や塀など道路から敷地内が見えずらい状況は不法侵入者にとって好都合になります。
その理由は一度侵入してしまえばその垣根や塀が死角となり外からは見えなくなってしまうからです。この場合、不法侵入者はゆっくりと時間をかけて鍵を開ける作業に入れます。
垣根や塀は侵入しずらい印象はありますがそれを飛び越えるのはとても簡単なことです。
敷地内に侵入された後のことを考えたら見通しのよいフェンスのや植栽の方が不法侵入者は嫌がります。
脚立や梯子は見えないところに
脚立や梯子があるとそれを使って侵入されるケースもあります。
外から見えるようなところに立てかけてあるとそれは「どうぞこれを使って侵入してください」と言っているようなものです。
脚立や梯子は見えないところに保管しておくか、保管する場所が無い場合は使えないようにどこかにチェーン等でロックしておくなど一工夫が必要です。
また、倉庫や物置などが建物に近い場合はそれを足かけに2階やベランダ等に侵入される恐れもありますのでセンサーライトの取付けなど何かしらの対策を講じましょう。
防犯カメラ
ちょっと前までは防犯カメラなんてものはお金持ちの家が設置するイメージがあり、どうしても一般家庭の住宅では防犯カメラを設置しずらかったですよね。
しかし最近では一般住宅でも防犯カメラを設置している家を多く見かけるようになり広く普及されてきたと思います。
防犯カメラが付いているだけで侵入を諦める空き巣が多いことから防犯上最も効果を期待出来るアイテムといえます。
防犯カメラは有線と無線どちらがおすすめ?
一言に防犯カメラと言っても色々な種類があって選び方が分かりません。
一般的な防犯カメラといえば有線タイプできちんと配線で電源を取って映像を確認出来るモニター付きのものがありますが家電量販店やホームセンターで4~5万円以上はしますし、他に取付け工賃もかかります。
とてもじゃないけど思いつきで「防犯カメラを付けよう!」と簡単には言えない値段ではないでしょうか。
しかし近年防犯カメラの市場は拡大して色々な種類が販売されていますので自分の目的や用途によっては低価格帯の防犯カメラの設置で済んでしまう人だってたくさんいらっしゃると思います。
そこで有線カメラと低価格帯の無線カメラについて少し触れておきたいと思います。
有線型防犯カメラのメリット
基本的に取付け工事から設定まで業者さんがやってくれるのでお金はかかるけど手間はかからないし取付けに間違いがないのがメリットです。
それにこのような有線タイプのしっかりとした防犯カメラは基本的に映像を確認する為の専用モニターがあるのでスマホ操作が覚えられない年配の方やお子様のいる家庭では使いやすいと言えるでしょう。
また、無線タイプに比べて映像のなめらかさや画質が優れているところも有線タイプのメリットと言えます。
無線型防犯カメラのメリット
無線型防犯カメラの最大のメリットは低価格で防犯カメラを導入出来るうえ、取付けも簡単(基本的にビス止めか両面テープで貼るだけ)ということに尽きます。
専用モニターは無いもののスマホで専用アプリをダウンロードさえすればモニター代わりになるのでスマホ世代の方は逆に都合がいいのではないかと思いますね。
有線タイプに比べて映像が遅れたり画質が劣る面もありますが有線タイプのカメラを使ったことがない方であれば気にならない程度です。
強いこだわりが無ければ無線型がおすすめ
映像の画質は有線型の方が優れていますがだからといって無線型のカメラだと人の顔が分からないとかそんな酷い画質ではありません。
多少映像がカクカクしたりしますが映像自体は粗く見えずらいといった印象は無いです。(あまりにも格安なカメラは分からないです)
不法侵入者への警戒を与える・証拠映像を残す・必要に応じて警察に映像を確認してもらうといった目的は無線型防犯カメラでも十分その役割を果たせるのです。
それに価格帯も安いので購入を検討してから取付けまでのフローはスムーズです。
本体代だけで4~5万円以上もする有線型防犯カメラだと何を買えばいいか相当な期間迷うし、結局迷ったあげく防犯カメラの購入を棚上げしてしまいがちなんですよね。
おすすめの無線型防犯カメラ
無線型防犯カメラも種類が豊富なので購入を検討する時には自分のほしい機能が付いているかどうかで判断すると選びやすくなります。
ちなみにどんな機能が付いているといいのか分からない方も多いと思いますので今から防犯カメラを購入するなら絶対にあった方がいい機能をお教えします。
PIR人感センサー機能
PIR人感センサーとは撮影範囲内に侵入した人を感知してカメラが録画を開始する機能です。
モーション感知機能が付いている防犯カメラもありますがこれは人以外に風になびく物や植栽など動く物全てに反応してしまって余計なものまで録画してしまいがちです。
しかしPIR人感センサーは単に動く物ではなく、熱を発生する物体に反応するので熱を持たない単なる物の動きや揺れには反応しません。
人間や動物といった動体にピンポイントに反応し、自動録画を開始してくれます。
屋外対応のもの
PIR人感センサーが付いていても室内専用の防犯カメラも多数あるので気を付けてください。
多少の雨が降りかかっても大丈夫な屋外対応のものを選びましょう。
高画質のもの
撮影された映像が証拠となる時もあるので画質が悪いと話になりません。
超高画質までの機能は必要ありませんが、画素数は200万画素以上のものを選ぶと良いでしょう。
3つの機能がある無線型防犯カメラ
今から無線型防犯カメラを購入するなら以上の3つの機能があるものがいいのですが探す手間を省く為に2個ほどそのような防犯カメラをご紹介します。
まずはこのカメラ、おすすめポイントはいかにも防犯カメラ感がないところです。
電源は電池ではなく充電バッテリー型です。
バッテリーはパナソニック製のもので高容量の6000mAhです。ちなみにこのバッテリーが2個セットなので交互に充電しておけば充電中は防犯カメラが使えないという心配は無用です。
取付けは両面テープとマグネットだけです。
同じような特徴を持つ防犯カメラをもう一つご紹介しておきます。
コンパクトな形状、パナソニック製のバッテリーが2個付きなど上述でご紹介したカメラと特徴はほぼ同じですが、こちらのカメラは両面テープでも張れる他に本体にビス穴も開いているのでビスでの固定も可能です。
以上、私がおすすめしたカメラは2種類ですがこのチョイスの理由はコンパクトであることです。
個人的には見るからに防犯カメラのようなデザインは好きではないので・・・。ちなみに3つの機能がついている無線型の防犯カメラは他にもありますので自分好みのデザインをゆっくり探してみるといいでしょう。
鍵は2ヶ所以上閉めるのが基本
空き巣や泥棒は侵入から窃盗・逃走までで特に侵入する際に費やす時間が長ければ長いほど諦める確率が高くなるといわれています。
例えば玄関ドアの鍵、上下に2ヶ所あるならちょっと外出する時でも必ず上下2ヶ所閉めるようにしましょう。
仮に1ヶ所ピッキングするのに3分かかるとしたら2ヶ所閉めていたら6分かかります。
空き巣にとってこの3分のロスはとても大きいと思いますよ。
窓には補助錠を
窓もサッシの上部や下部に補助錠を増設しましょう。
その目的は玄関ドアと同じです。1ヶ所だけ鍵がかかっている窓と2ヶ所鍵がかかっている窓では侵入にかかる時間は違ってきます。
余談ですが空き巣は逃げる時のこともちゃんと考えています。
万が一の時に逃げ道を数カ所確保しておくんだどか。
ならばこのような補助錠を窓全部にセットしておいたら室内から出ずらそうですよね。
全ての窓に補助錠が増設されていたら、空き巣からすると万一の場合に「逃げにくい」という印象を与えます。
窓格子取付けも効果アリ
風呂や洗面所など周囲から目につきにくいところにある窓などには格子を増設すると防犯効果が向上します。
格子はドライバーで外せますが時間勝負の空き巣がわざわざ格子を外すでしょうか。
よほど狙った家でない限り格子まで外して侵入するより、格子がない家に侵入した方が空き巣にとっても都合がいいはずです。
ちなみに格子のネジ穴にコーキングやボンドを詰めてネジ山を埋める事によりドライバーで簡単に外せなくなります。
防犯意識が高い家だとアピールする
防犯対策を一つ一つ積み重ねていくことで空き巣に狙われにくい環境が構築されていきます。
それは空き巣や侵入犯罪者をしようとする者が見て一番感じるはずです。
防犯カメラの設置にしてもセンサーライトの設置にしても無駄な防犯対策など一つもありません。
空き巣に対して「うちは防犯意識が高い家なんだぞ」と無言のアピールを継続していくことが大切です。