ふと外出中に自分の家の玄関の鍵を閉め忘れた事に気付いた時、色々な事を考えてしまって帰宅するのが不安になります。 たいていの場合は何事もないものですがしかしそんな時に限って空き巣や犯罪被害に遭うこともあります。
特にマンションやアパートは玄関の鍵を閉め忘れることは防犯上とても致命的です。
なぜなら玄関を開けたら目の前は共用廊下だから。
つまり鍵の掛かっていない玄関の目の前を不特定多数の人間が歩ける状況だからです。
もし出先で鍵の閉め忘れに気づいたら帰宅時は冷静になって然るべき確認を行いましょう。
「鍵を閉め忘れた」外出先で気付いたら
不覚にも玄関の鍵閉め忘れた事が明らかな事に気付いた場合、その事が気がかりで仕事や学校どころではないですよね。
外出先ですぐに自宅に戻れない状況の場合は下記のような事を行いましょう。
管理会社やオーナー(家主)に連絡する
アパートやマンションといった賃貸物件にお住まいなら管理会社やオーナーさんが管理キーと呼ばれる合い鍵を持っているはずです。
ここは正直に玄関の鍵を閉め忘れてしまったことを伝えて先方さんの都合で可能であれば鍵の施錠をお願いしてみましょう。
しかしここで管理会社の人やオーナーさんに部屋の中にまで入られてしまうのではないかという不安がよぎりますね。
今回は鍵の施錠を優先して他の心配はせずに信用しましょう。
こんな時もあるかもしれないので玄関には室内用防犯カメラを設置しておくことをおすすめします。
おすすめの防犯カメラについては本記事では省略しますが詳しくは下記記事の段落3の第1項で書いていますのでご参考にしてみてください。
ホームセキュリティー会社と契約している方は
ホームセキュリティー契約をしている場合、契約内容によっては部屋の合い鍵を預けている方もいらっしゃると思います。
よく思い出してみて、預けているようであれば契約しているセキュティー会社に鍵の施錠を依頼することも出来ますね。
さて上述したように外出先で玄関の鍵の閉め忘れに気付いてもオートロックではない限り合い鍵を持っている人に頼る以外に鍵を閉める方法はありません。
しかしそんな鍵を閉め忘れて出て行った部屋に帰宅した時には気を付けることや確認することはいくつかあります。
本記事ではそのことについて触れていきたいと思います。
一人で部屋に入らない
鍵を閉め忘れた事に気付いて帰宅する場合は家に帰る瞬間が最も危険であり警戒すべきところです。
ここで疑うべき点は部屋内に誰か居ないか?
侵入犯罪者と鉢合わせになった場合、思わぬ危害を加えられる可能性が多いにあります。
可能であれば帰宅時は友人や知人に一緒についてきてもらうかマンションであれば管理人さんに玄関入口までついてきてもらうなどして決して一人で家に入らないようにするのが間違いありません。
どうしても同行者が見つからない場合、警察に事情を説明して家まで来てもらうよう交渉するのも一つの手段です。
ただし警察は事件性のある方を優先するので依頼する時には話し方にコツがあります。
例えば「玄関の鍵を閉め忘れて外出してしまった、さっき外から自分の部屋を見たら誰もいないはずの自分の部屋に人影が見えた。」
「気のせいかもしれないが心配なので今回だけでも一緒に見て確認してもらませんか?」などとお願いするのが良いでしょう。
一人で部屋に入る事の危険性
大げさかもしれませんが鍵を掛け忘れた部屋は完全に解放状態です。
帰宅したら犯罪者に襲われた例として、「犯人と鉢合わせになった」・「クローゼットの中に隠れていた」・「屋根裏に隠れていた」・「ベランダに隠れていた」などといった事例があります。
不法侵入者が一人でも恐ろしいのにもし複数の不法侵入者が潜んでいたら・・・と思ったら鍵を閉め忘れた部屋に一人で入るのはあまりにも危険と警戒すべきです。
自分の身の安全を確保する為に部屋に入る時は必ず誰かに同行してもらうよう協力を仰ぎましょう。
侵入された形跡がないか確認する
鍵を閉め忘れたという事は外出している間、あなたの家は完全にオープン状態です。
わざわざ他人の家の玄関ドアを開ける人は居ませんが、空き巣や犯罪者は別です。
鍵を閉め忘れてしまった日にまず確認する事は侵入された形跡があるかどうかの確認です。
しかしあからさまに足跡を残したり荒らされた形跡が無い限り誰かが侵入してきたかどうかは素人には判断がつきません。
家具や物の配置を確認する
そこで確認するポイントとしては普段自分が置いている物や家具の配置です。
特にいつも使うような私物は最後に見た時にどこに置いたかは覚えてなくとも、自分の直感で「こんなところには置かないな」というところにあったら要注意。
仮に不在中に侵入者があなたの部屋を物色した場合、証拠を残さぬよう開けた引出や物は元通りの位置に戻しますが、侵入者は元々置いてあった物の置き場所の位置を完璧に覚えていない場合があります。
普段見慣れた部屋も、目を凝らして疑いの目をもって物や家具の位置をよく確認してみてみるとよいでしょう。
普段閉めているドアや扉が開いていないか
家具や物の配置の他に自分しか分からないことがあります。
それは部屋と部屋間のドアや襖、洗面所や浴室のドアなど出掛ける時は開けたままにしない方が多いのではないでしょうか。
その他、棚や収納系の扉といった普段は閉めているはずのものも開いたままになっていたり半開きになっていないかも確認するポイントとなります。
このような時もありますので自分が外出する際はドアや扉をきっちりと閉めておく等、自分なりのルールを決めておくと異変に気付きやすくなります。
紛失物(盗まれた物)がないか確認する
空き巣の目的は主に窃盗です。
普段貴重品を保管している場所を確認しましょう。
金庫やへそくり、財布、腕時計、宝飾品、バッグ、下着など無くなった物はないかよく確認します。
この時点で何か紛失物を確認した場合、窃盗被害に遭った可能性が高いので警察へ連絡して被害届を出して受理番号を発行してもらいましょう。
後述で説明しますが窃盗被害に遭ったら家財保険の保険事故対応が可能です。
保険会社に連絡する時にこの受理番号が必要になります。
窃盗被害に遭ったら保険会社に連絡する
賃貸マンションの場合、入居時に火災保険に加入しているはずです。
入居者さんが加入している火災保険は正しくは”家財保険”です。
家財とはソファーやテーブルといった家具の他、テレビ・パソコン・洋服・現金など一部対象外の物をのぞいてあなたの所有しているほとんどの物が対象となっています。
この家財保険に加入していることを確認出来たら警察から発行してもらった受理番号を手元に保険会社へ連絡します。
盗まれた物や壊された物を改めて確認して被害に遭った物は全て報告するようにしましょう。
クレジットカードの有無や番号を見られていないか
クレジットカードを持ち歩かず家に置いている場合、カードが盗まれてなくても安心出来ません。
なぜならクレジットカードは見られただけで悪用されるケースもあるからです。
最近のインターネットショッピングではクレジットカードの表面に記載されている番号と裏面に記載されているセキュリティーコードと言われる番号を入力するだけで買い物が出来ます。
これはカード利用者にとってとても便利なシステムですが、逆に不正利用の被害も増えています。
カードの番号とセキュリティーコードを他人に控えられてしまった場合は悪用される可能性があります。
クレジットカードが紛失していないからといって安心せずにもし番号を見られてしまった可能性が少しでもあるのならばクレジットカードの発行会社に連絡して使用停止の手続きを行うのが無難です。
他人に見られた可能性があると伝えれば番号の変更手続きは可能かと思います。
盗聴器や盗撮器が仕掛けられていないか
玄関ののぞき穴が替えられていないか・逆に付け替えられたりしていないか等のチェックの他、盗聴・盗撮器を仕掛けられていないかも疑いましょう。
コンセントや電話機、テレビなどといった家電製品の中に仕掛けられるケースが多いのでドライバーなどで簡単に外せる物は外して中を確認することをおすすめします。
またリビングルームはもちろん、トイレや脱衣所、風呂場など床から壁、天井など怪しいと思ったところは全て確認します。
盗撮器において最近ではカメラの存在に気付かないようなとても小さなカメラが市場に出回っていますので万一仕掛けられている場合、完璧に自分で探すのは難しいと言われています。
盗聴・盗撮器を自分で確認する
インターネットで発見機を購入して自分で探すことも出来ます。
クチコミやレビューを確認すると発見機を使って盗聴器や盗撮器を発見出来たというクチコミよりもちゃんと探せているか分からないといったものをよく見かけます。
そもそも盗聴・盗撮器自体が仕掛けられていないケースが多いだけのかと思いますがちゃんと探せているかどうかはその発見機の品質を信用するしかありませんので確実性は分かりません。
発見機を使わすに物理的に自分で探す場合はコンセントのカバーを外して中を覗いてみたり、観葉植物・家電製品・壁掛けの時計や絵画、額縁などを疑って確認してみます。
専門業者に依頼する
どうしてもモヤモヤが消えない場合は不安な毎日を送るよりも専門業者に依頼して発見機が仕掛けられているかいないかを確実に確認することをおすすめします。
しかし専門業者に依頼するといってもどこに相談したらいいか分からないでしょうし、業者といえども知らない人に部屋の隅々まで確認されるのも正直気持ち悪いです。
専門業者に依頼するなら友人や知人を介しての紹介で信用出来る業者か、クチコミや評判を頼ってよく吟味して専門業者を念入りに探すことです。
ポストにチラシが入っていただけとか、事務所や店舗を構えないでやっている個人業者ではなく多少費用が高くなっても防犯全般を主として行っている業者が望ましいかと思います。
また、専門業者に部屋を調査している時間帯は一人ではなく家族や友人などに来てもらい一緒に居てもらうようにしましょう。
誰かに部屋に入られた場合のその後の対策
明らかに何者かによって部屋に侵入されたと確信を持った場合、その原因によっては対策を講じる必要はあります。
記事中に述べたように室内防犯カメラ等の設置はもちろんのことですがこのまま毎日自宅で過ごすことに不安を感じますよね。
侵入者別に対策を考えていきますが、いずれの場合であっても警察への連絡はするべきです。
大家さんでも管理会社でも入居者の許可なく(事後連絡もなく)侵入することはおかしいですよね、だからあえて警察に連絡をして無断で部屋に侵入したことの重大さを間接的に伝えるのです。
「間違っちゃって入っちゃった」とかそういう軽い理由で侵入されては困るし、本当の理由や目的なんて分からないですよね。
侵入者が大家さんだった場合
部屋に侵入した人が大家さんだった場合、何かしらの理由があって部屋に入ったと思われます。
まずは大家さんへ連絡して、最近自分が借りている部屋に合鍵を利用して入ったかどうかの確認をしてみましょう。
入った場合、その理由を自分が納得するまで聞いてみることです。
また、今後に関しては緊急時又はやむを得ない状況の場合を除いて部屋に入るときには必ず事前に自分宛に連絡して許可を得てから部屋に入ることを約束してもらうことです。
そして緊急時に許可なく部屋に入った場合も、遅延なく事後報告の連絡をしてもらうようお願いしておきましょう。
大家さんとはいえ、部屋を借りている側の人間にもプライバシーが保護されるべきですし今後万一、何か私物が無くなった場合は疑いたくないけど疑ってしまう場合もあります的なことを伝えれば理解していただけるでしょう。
侵入者が管理会社だった場合
まず管理会社が入居者さんの許可なく勝手に合鍵で侵入することは考えずらいですし、仮に緊急時に侵入した場合は遅延なく事後報告の連絡があるはずです。
もし後に管理会社の従業員が侵入したと判明した場合は身の危険を心配しましょう。
深く考えすぎかもしれませんが管理会社という立場を利用して合鍵で女性が入居する部屋を狙う犯罪も疑わなくてはなりません。
その場合、鍵交換をしても結局管理会社には新たな管理キーを預けるしかないので防犯対策としては意味がありません。
なので今の管理会社とは全く別の不動産屋さんで部屋を借りて引っ越しを検討するべきです。
今の管理会社から引っ越しの理由を聞かれたら「無断で部屋に入られたからもう気持ち悪くて住めない」とはっきり言っていいと思います。
侵入者が第三者だった場合
最後に侵入者が大家さんでもなく管理会社でもなかった場合の対策をお話したいと思います。
このパターンが一番恐れるべき侵入者ですがまず最初にやることは鍵交換と防犯カメラの設置です。
侵入されたということは何らかの手段で合鍵を入手したか、ピッキングのどちらかで侵入したはずなのでこの2つの不安要素を消す為には鍵交換と防犯カメラ設置しかありません。
また、大家さんや管理会社に今回の件を報告して建物の共用部分などに防犯対策を講じてもらうよう依頼してみましょう。
共用部分への防犯カメラの設置が予算的に難しければせめてダミーカメラやセンサーライト・その他、張り紙を張ってもらうなど防犯対策はいくらでもあります。
とにかく一度侵入した部屋はまた侵入を繰り返す場合もありますので明らかに以前よりも防犯意識が高くなっていることを不法侵入者へアピールする必要があります。
その間、引っ越し費用を貯めて違う物件に引っ越す計画を立てましょう。
根拠のない安心感は捨てて慎重な行動を
玄関の鍵を閉め忘れた程度のミスで万一、重大な犯罪に巻き込まれたら悔やみきれません。
たいがいは大丈夫だという声をよく聞きますが、逆に不運にも大丈夫じゃなかった場合はどうするのでしょうか。
危険だと承知の上で危険な場所に行って犯罪に巻き込まれるならまだしも、玄関の鍵の閉め忘れで万一危険に晒されるのはたった一度の人生において非常に勿体ないと思いませんか。
根拠のない安心感は捨てて落ち着いて慎重に確認・行動することが大切です。
どうしても同行してくれる協力者が居ない時は家に入らず鍵だけ閉めて一度その場を離れるのも良いでしょう。
その間に侵入している空き巣が逃げてくれる場合もあります。
特に単身住まいの方は同居人が居ない分、人よりも警戒心を高く持って生活する必要があります。