アパートやマンションを借りるなら入居費用について内容を前もって把握しておくと余計な出費をせずに契約することが出来きます。本記事では入居費用の各項目の必要性や内容を簡単にまとめていますのでご参考にしてみてください。
敷金・保証金(必須)
敷金は入居時に必要な初期費用の代表的なお金です。地域によっては敷金と呼んだり保証金と呼ばれたりしていますが今はどちらもほぼ同じ意味合いとして使われています。
敷金は家賃が滞ってしまった場合などに大家さんの意向で家賃に充てたり、退去時の原状回復費用などに充てられます。
※預けている敷金を入居者の意向で家賃に充てることは出来ません。
敷金は単身住まいの1R・1K・1DKなどでは1ヶ月、1LDK・2LDKなど広め且つ2人以上で住むような物件の場合は2ヶ月の預託が相場でしょう。
入居費用削減キャンペーンなどで敷金なしで入居出来る物件も増えてきましたがいずれにしても退去する際には原状回復費用がかかりますので入居時にお金がかかるか、退去時にお金がかかるかの違いになります。
礼金(必須)
まだ貸部屋が貴重な時代、昔からの慣習で続いている大家さんへの謝礼金のようなものです。
大家さんに対して「物件を貸していただいてありがとう」という意味を込めたなので敷金のように返ってくるものではありません。
昨今では礼金なしの条件で募集している物件が多いので普通のアパートで礼金として2ヶ月とかで募集しているような物件はよほど人気のある物件なのでしょう。
最近では礼金なしや、あったとしても1ヶ月が相場です。
仲介手数料(必須)
仲介手数料は物件(部屋)を借りた時に仲介してくれた不動産会社へ支払う手数料のことです。
宅建業法上、賃貸物件の仲介手数料は家賃の1ヶ月分(別税)と上限が決められています。
この手数料が不動産屋さんの主な収入源なのでこの手数料を安くしてくれとかまけてくれとお願いするのは駄目じゃないけど業界人から言わせるとそれはマナー違反ですね。
仲介手数料は割に合わない時もあるからです。
例えば家賃10万円の物件も家賃5万円の物件も部屋の紹介から案内、契約手続き、引き渡しまでの手間は変わらないですからね。
手間が変わらないのに手数料の差が5万円なんて事は意外と少なくないのです。
入居費用の交渉をするなら仲介手数料ではなく、他の項目で相談するようにしましょう。
それに不動産屋さんに払うべきものはきちんと払っておくことでこれから始まる賃貸生活の中で入不動産屋さんに対しての交渉や相談がしやすくなるかと思います。
翌月分家賃・日割り家賃(必須)
アパートやマンションなど賃貸物件の家賃は基本的に前払いです。
毎月前月の下旬や月末までに翌月分家賃を支払うのが一般的ですので入居月とその翌月分家賃まで入居費用として一緒に支払うことが多いです。
例えば入居日が4月10日なら10日から月末までの4月分日割り家賃と、翌月5月分家賃を契約時に入居費用として支払います。
翌月分家賃や日割り家賃が安くなる可能性は
毎月当然のように支払う家賃なので基本的に安くなったり支払わなくてもいいと言われることはありませんがキャンペーンによっては安くなる可能性があります。
物件によってはフリーレント期間という家賃無料期間キャンペーンを設けているものがあります。
これは一種の入居促進キャンペーンで、例えばフリーレント1ヶ月の物件ならば入居後当初1ヶ月分の家賃が無料になります。
タイミングよくキャンペーンがやっていなくても気に入った物件が見つかったら、1ヶ月間のフリーレントを契約することを条件に交渉してみてはいかがでしょうか。
私はよくこのフリーレントを契約交渉によく使って契約を量産していた時期もありますのでもし借りてくれるのが確実だったら大家さんにとって悪い条件ではないと思いますけどね
無理な時は無理ですがOKだったら家賃1ヶ月分も得するので駄目元でも交渉しない手はありませんよ。
消毒料(任意)
消毒料とは室内クリーニングとは別物です。
室内クリーニングはあくまで部屋の掃除ですが、消毒は除菌や殺菌要素の高い作業でもしやる場合は入居者負担で行います。
それなりの成分が入っているのでさすがに「意味が無い」ことはありませんが業界人の私でも果たして消毒料の価格分の効果が期待出来るかというと微妙なところ。
でも家具の無い状態である引き渡し前にしか出来ない噴射式の消毒なので入居前しか出来ないんですよね・・。
多少割高ですが前に住んでいた入居者さんとのリセットの意味も込めて儀式的に行う方も少なくありません。
まあ入居時の初期費用を節約するなら消毒はやらなくてもいいと思います。
消毒はもちろんマストではありません、100%任意ですのであたかもマストのような感じで消毒作業料を取られそうになったらしっかりと断りましょう。
家賃保証会社加入料(加入が条件なら必須)
入居費用項目では「保証料」と記載されてあるかもしれませんがこれはあなたの連帯保証人になってもらう保証会社へ支払う費用のことです。
家賃を滞納したあげく、夜逃げする悪質滞納者が多かったことや連帯保証人に保証能力がないケースが多かったことから家賃保証会社が急速に普及してきました。
家賃保証会社加入が条件と言われた物件は残念ながらこの保証料の支払いは必須となります。
ちなみにこの保証料は例え家賃を滞納しないまま退去しても返金はされません。
保証会社に保証料を支払い加入したからといって、滞納した家賃を立て替えしてもらえるわけではないことに注意しましょう。
確かに遅れた分の家賃は一時的に保証会社が立て替えして大家さんに支払われますが、その後保証会社からあなたに立て替えた家賃の請求がなされます。
家賃保証会社の督促請求は不動産屋さんの督促請求に比べ甘くなく、厳しいので家賃は滞納しないよう気を付けてください。
家賃保証会社加入料は安くなる?
家賃保証会社に支払う保証料は賃貸物件の契約期間に合わせて2年毎になるでしょう。
保証料相場は借りるアパートの月額総支払い額の50%~100%と入居時は負担となりますが2年目以降は保証更新料という名目になるので安くなるはずです。
契約時に保証料の減額交渉はすることは難しいですが、2年目(更新時)以降は安くなります。
家賃保証会社加入に関しての裏技的なものはありませんが、当初2年間は保証会社に加入するけど2年間家賃の支払いを遅延なく完璧に支払えば2年目以降は保証会社を付けなくてもいいか?と交渉する事例はありました。
その交渉に対して大家さんの承諾率は覚えている限り50%といったところでしょうか。
例え2年間、問題なく家賃を支払えても2年目以降に不安定になる可能性は誰にでもあるはずですからね。
あまりおすすめな交渉ではないかもしれませんが絶対に家賃支払いに関して問題なく支払える自信がある方はそのような交渉をしてみてはいかがでしょうか。
24時間サポート費用(任意)
24時間サポート対応サービスは入居中における様々なトラブルに対応したサービスで、管理会社の電話が繋がらない深夜や早朝の時間帯も対応してもらえるもの。
アパートを借りて一人暮らしをするのが初めてといった新社会人や学生さんにおすすめなサービスですね。
このサービスについては他の記事で詳しく書いていますのでご覧ください。
入居費用を抑える為といっても一言にこのサービスは不要とは言えません。
本当に勿体無いのは24時間対応サポートサービスに加入するだけして、そのサービスを一切利用しないまま解約してしまうことです。
もし加入するなら結構利用シーンがあるので使わなきゃ損ですよ。
エアコンクリーニング代金(任意)
入居前の室内クリーニングは入居者負担じゃないのになぜエアコンクリーニング代は入居者負担なのか、私も理解に苦しむ慣習です。
結論から言います。エアコンは入居時にかかわらず使用していれば2年に一度はクリーニングが必要です。
まめな方は毎年エアコンクリーニングをやっています。
エアコンクリーニングをやらないと恐いのは構造上、どうしても湿気を避けられない内部のカビです。
私は過去に知らず知らずの間にエアコン内部に発生したカビを吸い続けて肺炎になってしまった人を目の当たりにしているので健康被害を被らないよう誰が負担するのかの前に定期的にエアコンのクリーニングを実施することを強くおすすめします。
エアコンクリーニング代金を安くする方法
エアコンクリーニングは不動産屋さんに頼むと2万円近くしますが自分で探した業者に直接やってもらうとその半分近くの代金で済むでしょう。
契約時にはエアコンクリーニングを断って、入居後にエアコンクリーニングをやってくれる業者を自分で探せばいいのです。
それから間違ってもホームセンターで売っているスプレー缶は使わないようにしてください。
スプレーでの掃除は意味ありませんし、壊れる原因にもなるのでやめておきましょう。
その理由は業者さんがやるエアコンクリーニングを見学させてもらえば分かります。
他の方法としては、「 大家さん負担でエアコンクリーニングをやってくれるなら借ります 」と条件を提示してしまうかですね。
鍵交換代金(任意だけど場合により必須)
入居時に渡される鍵は前の入居者が使用していた鍵なのです。
前の入居者さんから鍵は返却してもらっているはずですが無申告で作成されたスペアキーの管理までは不動産屋さんでは正直出来ません。
そう考えると気持ち悪いですよね。
だから入居時には鍵の交換を強くおすすめするのですがその交換費用は新しく借りる入居者さんの負担で行うものとされている物件が多いはずです。
これも不動産業界の慣習的なサイクルとなってしまっているのでしょう、納得のいかない方も多いと思いますが大家さんはあくまで部屋と部屋の鍵を貸すだけで防犯面までは面倒を見る義務はないのです。
鍵の交換はよほどお金が無い時をのぞき、特に女性の場合は必ず交換するよう強くおすすめしたいものです。
費用については一般的な鍵交換ならば10,000円前後、あとは防犯性能に比例して費用も高くなりますが一番いいので25,000円くらいですかね。
安心と取るか節約を取るかですが個人的には安心を取る方をおすすめします。
入居費用節約についてまとめると
敷金・礼金・仲介手数料・家賃保証料は物件や大家さんによりきりなので安くなるもならないも交渉次第ということはご理解いただけましたでしょうか。
私が個人的に優先順位をつけるのなら、①鍵交換 ②エアコンクリーニング(入居後自分で業者に頼むも良し)③24時間サポート対応サービス ④消毒の順になります。
オプション商品は何も不動産屋さんの売上げの為だけにあるものでなく、入居者さんにとっても必要なものであることを今一度理解した上で検討してみてはいかがでしょう。