入居費用の項目にある「24時間対応サポートサービス」は加入するべきか断るべきか。

リビングルーム 賃貸生活

入居費用の付帯商品である24時間対応のサポートサービス。加入は任意だけど単に入居費用節約の為に加入しないのではなく、サービス内容をよく確認した上で必要かどうかを考えてみましょう。

入居費用を出来るだけ安く抑えたいなら無駄なオプション契約はしないことです。

部屋を借りる時には敷金・礼金・仲介料の他に色々な付帯商品(サービス)の加入を勧められます。

入居時に勧める付帯商品(サービス)だけあってこれから始まる新生活に必要なものや便利なものも多くあります。

これらのサービスは強制か任意かという点や、料金だけで判断せずに自分のライフスタイルに必要かどうかを見極めることが大切です。

中でも本記事では24時間対応のサポートサービスについてお話してみたいと思います。

24時間対応のサポート契約とは?

そもそも24時間対応のサポート契約は何なんでしょう。

簡単に説明すると読んで字のごとくとしか言いようがありません。

要するに入居中に何か困り事やトラブルがあった場合、通常管理会社や大家さんに連絡すると思うのですが連絡が繋がりずらい時間帯や夜間なんかは電話が通じません。

例えば深夜帰宅した時に鍵を紛失して部屋に入れない・ガラスが割れてしまった・水漏れが止まらないなどといった緊急を要する時に管理会社や大家さんと連絡が取れないと困りますよね。

そんな時、対応してくれるのが24時間対応のサポートサービスです。

深夜だろうが早朝だろうが24時間対応してくれるので入居者の立場からすると何かと安心です。

入居中の様々なトラブルや事故の対応について日中は管理会社や大家さんへ連絡して、深夜や早朝は24時間対応のサポートサービスへ連絡するといいといった案内をされるでしょう。

軽微・短時間の作業工賃は無償対応してくれますから初めて部屋を借りる人はたいがいの方が加入していましたね。

加入は義務?断れる?

結論から申し上げますと24時間対応のサポートサービスは火災保険のように強制加入ではありません。

任意です。

言うなら車で言うオプションです。

不動産屋によってはあたかも加入が当然かのようにしれっと入居費用明細の項目に記載してきますがそれは必ず加入しなければならないものではないのです。

もし任意だという説明が無いようでしたら「これは加入義務があるのですか?」とはっきりと質問しましょう。

恐らく「任意ですがほとんどの方が入居時に加入してますよ」と煽ってくると思いますが実際そんな事はないので詳しく説明を聞いて不要と感じたら遠慮無く断りましょう。

このサービスはあくまで付帯商品ですから断って不動産屋さんが損をするということはなにもありません。

申込後でも断れるか

24時間サポート代金を含む契約金を支払う前でしたらキャンセルは可能です。

しかし入居申込時に併せて24時間サポートの申込書や契約書にサインしてしまった場合、不動産屋さんにキャンセルできないと言われる可能性があります。

24時間サポートサービスは不動産屋さんにとって付帯商品であり少なからず紹介料が発生する収入源なので安易にキャンセルを受付けてくれないケースもあるでしょう。

その場合は24時間サポートサービスの運営会社に直接電話をし、事情を説明してキャンセルを申し出ることをおすすめします。

24時間対応サポートが必要な人

この24時間対応のサポートサービス、加入をおすすめしたい人からお話してみたいと思います。

例えば自分の子どもが初めて一人暮らしをする場合はこの24時間対応サポートを契約してあげます。

実家を離れ、初めて一人暮らしをするという事は嬉しい事でもあり寂しい事でもあるんです。

それにただでさえ家族と離ればなれになって何かと不安なのですから24時間対応の連絡先がある方がいいに決まっています。

「一人で暮らす」という事が初めてならばその生活にどんなトラブルがあるか本人には分からないしトラブルシューティングが用意されているわけでもありませんよね。

実家が近ければ深夜だろうが早朝だろうが子どもが困っていると連絡があったら駆け付けることが出来ますが、遠方で一人暮らしをしている場合はそれは現実的ではありません。

一人暮らしが慣れた頃に解約するとして、まだ期待と不安が入り交じっている期間は契約した方が何かと精神的にも安心出来るのではないでしょうか。

まだ新生活にも慣れず、且つ一人暮らしについて右も左も分からない、友達も知り合いもいない環境なら24時間対応のサポートは本人にとってとても心強いものです。

また、一人暮らしの他に私がおすすめしたい属性はシングルマザーやシングルファザーの方です。

特にお子さんがまだ小さい時は本当に大変ですから、せめて借りた部屋に関するトラブルや困り事は24時間対応のサービスがあると精神的にも何かと安心なはずです。

24時間対応サポートは場合によっては駆け付けサービスもあるので細かい内容は違えどセキュリティー会社と契約する場合を考えたら安いものです。

一人暮らしをさせる子を持つ親御さんやシングルマザーの方には是非おすすめしたいサービスですね。

24時間対応サポートが不要な人

私が親の立場だったら子どもの一人暮らしの際に契約してあげたいと先ほど申し上げましたが、これが自分の場合だったら契約しません。

なぜならたいがいの事は24時間サポートに加入しなくても事は足りるからです。

管理会社に勤めていた経験上、入居中のトラブルで一番多いのが「水漏れ」です。

しかしそのほどんどは緊急性のないチョロチョロとした水漏ればかり。

本当に緊急性を要するビシャー系の水漏れはほとんどありませんでした。

だからアパートやマンションを借りていてそのような緊急性を要する水漏れトラブルに遭う確率は極めて低いし、仮にもそんな事が起こった場合は水道トラブルの駆け付けサービスに連絡すればいいだけです。

よくポストに入ってる水道トラブルの駆け付けサービスです。

まあ呼んだとしてもたいがいの場合は5,000円前後で対応してくれると思いますけど、多分そのような水道トラブルが起きる可能性は極めて低いと思います。

だって実家で暮らしている時、そんな水道トラブルがありましたか?多分1回起きたか起きてないかのレベルだと思いますよ。

入居契約時に「業者を呼べばたいてい5,000円~10,000円はしますから2~3回サービスを使ったら元を取れますよ」と営業されると思いますが私は2年間の間にそのようなトラブルが2回も3回も起きるとは到底思えません。

なので過度な心配性じゃない人や自分で業者を呼べそうな人は不要です。

全てが無償ではない!こんな時は有償になる

また、短時間で軽作業なら工賃無料と謳っていますが、部材費は別途費用がかかるので勘違いしないように気を付けましょう。

例えばガラスが割れた時にガラス屋さんを手配してくれますが、交換するガラスの代金はもちろん別途となります。

ガラス代は後々、大家さんが出す費用になりますが緊急対応の業者にはその場で立て替えるケースも少なくありませんので持ち合わせが無い場合は恥をかいてしまいます。

鍵を紛失した時だって鍵を開ける作業は無償でも、鍵シリンダー交換費用は別途です。

鍵シリンダーはグレードが一番下のものでも5,000円くらいはしますからね。

それに鍵を紛失したのは入居者の過失なので、鍵交換費用を負担するのは大家さんではなく入居者になります。

このような事からあくまで24時間は対応出来るが全てのケースが必ずしも無償ではないことを把握しておくべきです。

実はアレに加入しているから必要ない!?

24時間サポートサービスは契約時における付帯商品です。

当然、お客様が契約してくれれば紹介料をいただけますのであまり必要じゃないかなって思っても加入を勧めたくなります。

それに24時間対応のサポートサービスに加入してくれれば、万一深夜にトラブルが起こっても管理会社に電話が来ることもないですから管理会社からすると実はメリットしかありません。

このサービスが必要じゃないかな?って思う理由は記事で紹介した事例の他にもう一つあります。

実は部屋を借りる時に火災保険に加入しますよね。

借家人賠償というオプションを付けて加入を義務付けされる火災保険です。

借家人賠償とは借家人(入居者)の過失によって火災などの事故を起こしてアパートやマンションに損害を与えてしまった場合に大家さんや関係者に対して保険で賠償するものです。

しかしこの他にも火災保険には色々なサービスがあるのをほとんどの方が知らないんですよね。

もし今、自分の加入した火災保険のパンフレットがあるのなら内容をよく確認してみてください。

きっと24時間対応のサポートサービスの内容と重複しているものが結構あるはずですよ。

それかパンフの見方がよく分からなければ24時間対応サポートサービスの内容と火災保険のサービス内容って似ていませんか?と不動産屋さんに聞いてみるといいでしょう。

そこで火災保険のサービスに無いものが24時間対応サポートサービスにあった場合、その内容が自分にとって魅力的かそうでないかで加入するかどうかを決めればいいかと思います。

ちなみに私が現役で営業をしていた頃は、火災保険でも出来るでしょ!ってお客さんに突っ込まれた時は苦笑いしか出来ませんでした。

24時間対応サポートについてまとめると

今回は私が不動産業界にいて24時間対応サポートについて感じたこと・思ったことを記事にしました。

私が現役で窓口営業をやっていた時の感覚ですが加入する人の割合は年間を通して30%~50%前後だったような気がします。

どんな人が24時間対応サポートに加入してたかというと、若い単身女性です。

この世代の女性は特に必要性を感じなくても「あくまで保険」的な感じで加入する方が多かったのを覚えています。

じゃあ結局この24時間対応のサポートサービスは一体どうしたらいいの?と思いますよね。

私なら次の項目に一つでも当てはまるなら加入して損はないと思います。

・単身女性

・実家から離れて初めて一人暮らしをする方

・鍵などを紛失しやすい、忘れっぽい、おっちょこちょいな方

とにかく一番お勧めしたい方は初めて一人暮らしに送り出すお子さんを持つ親御さんです。

今までは実家に居たのでいざという時は何とかしてこれたものの、これからは自分の家から出て行ってしまうのですから親御さんからしてみたらこれ以上の心配はないはずです。

ここはお金の問題ではなく、安心感を買うという意味では良いサポートサービスだと思っています。